おねしょ（夜尿症）は、幼児期から学童期にかけて多くの子どもが経験する一般的な現象です。しかし、おねしょが続くと、親としては心配になることもあるでしょう。本記事では、おねしょをする子の特徴とその対応策について詳しく解説します。
おねしょをする子の特徴
おねしょをする子の特徴は以下のとおりです。
1. 年齢による違い
おねしょは、年齢によってその頻度や原因が異なります。幼児期（2～4歳）では、膀胱の容量が小さく、夜間の尿量をコントロールする能力が未熟なため、おねしょが頻繁に起こります。学童期（5～12歳）になると、ほとんどの子どもはおねしょをしなくなりますが、一部の子どもでは続くことがあります。
2. 遺伝的要因
おねしょには遺伝的要因が関係していることがあります。親が子どもの頃におねしょをしていた場合、その子どももおねしょをする可能性が高くなります。これは、膀胱の機能やホルモンの分泌に関連する遺伝子が影響していると考えられています。
3. 睡眠の深さ
おねしょをする子は、睡眠が深い傾向があります。深い睡眠中は、膀胱が満杯になっても目が覚めにくいため、おねしょが起こりやすくなります。特に、疲れている日やストレスがたまっている日には、睡眠がさらに深くなり、おねしょのリスクが高まります。
4. 膀胱の容量と機能
おねしょをする子は、膀胱の容量が小さかったり、膀胱の機能が未熟だったりすることがあります。膀胱が小さいと、夜間に作られる尿量を十分に貯めることができず、おねしょが起こりやすくなります。また、膀胱の筋肉が未熟だと、尿をしっかりと保持することが難しくなります。
5. 抗利尿ホルモンの分泌
夜間の尿量を調節する抗利尿ホルモン（ADH）の分泌が不十分だと、夜間に多くの尿が作られ、おねしょが起こりやすくなります。このホルモンの分泌は、年齢とともに増加するため、成長とともに自然とおねしょが減ることが多いです。
6. 心理的要因
ストレスや不安がおねしょの原因となることもあります。新しい環境への適応（引っ越し、転校など）や家族内のトラブル（両親の不和、弟や妹の誕生など）がストレスとなり、おねしょを引き起こすことがあります。また、おねしょをしたことに対する親の叱責や周囲の目が、さらにストレスを増幅させることもあります。
おねしょへの対応策
おねしょへの対応策は以下のとおりです。
1. 温かい対応を心がける
おねしょをした子どもに対して、叱ったり責めたりするのは逆効果です。子どもは自分でもおねしょをしたくないと思っていることが多いので、温かい言葉で励まし、安心させることが大切です。「大丈夫だよ」「次はきっとできるよ」といった声かけを心がけましょう。
2. 規則正しい生活リズム
規則正しい生活リズムは、おねしょの改善に役立ちます。特に、就寝前の水分摂取を控えめにし、トイレに行く習慣をつけることが重要です。また、十分な睡眠をとることで、ストレスを軽減し、おねしょのリスクを減らすことができます。
3. 夜中のトイレに連れて行かない
夜中に無理やりトイレに連れて行くことは、子どもの睡眠リズムを乱す可能性があります。また、これが習慣化すると、子どもが自分で尿意を感じて起きる能力の発達を妨げることもあります。自然に目が覚めるまで待つことが望ましいです。
4. 膀胱トレーニング
膀胱の容量を増やすためのトレーニングも有効です。日中にトイレを我慢する練習をすることで、膀胱の容量を徐々に増やすことができます。ただし、無理強いせず、子どものペースに合わせて行いましょう。
5. 医療的なアプローチ
おねしょが長期間続く場合や、子どもの自尊心に影響を与えている場合は、医療的なアプローチを検討することも重要です。小児科医や泌尿器科医に相談し、抗利尿ホルモン剤やアラーム療法などの治療法を検討することができます。
6. 環境整備
おねしょをしても子どもが安心して眠れるよう、環境を整えることも大切です。防水シーツやおねしょパッドを使用することで、布団やマットレスを保護し、洗濯の負担を軽減できます。また、子どもが自分でおねしょを処理できるよう、着替えやタオルを用意しておくことも有効です。
まとめ
おねしょは、多くの子どもが経験する自然な現象です。親として心配になることもあるかもしれませんが、焦らずに子どもの成長を見守ることが大切です。適切な対応策を取り入れながら、子どもが自信を持っておねしょを克服できるようサポートしてあげましょう。おねしょは、時間とともに自然と改善されることがほとんどですので、長い目で見守ることが重要です。
